昔ながらの製法
今日はどこでも手で作るのではなく、ほとんどの部分を鉄製で作られた香料を練る機械で、練り上がった香料の固まりを押し出して線香の形に出す機械などの、オートメーションが普通になっています。
本舗では、昔からの作り方を変えることなく続けております。
線香の作り方
- 線香こし機のなかに材料を入れ、線香の粉をこす
・線香の粉をこすときに使います。
・これもかなり古いものになります。大正時代ぐらいか昭和初期ぐらいだと思います。
・中がざるの網みたいになっています。
・手前の棒を前後に動かすと粉がこせます。
・動かすときは、ふたをして動かします。
- 粉を練る
・大きい桶です。昔ドリフの大爆笑とかでつかわれていた大きさの桶です。
最近は、鉄は、なかなかなくて、プラスチィックの桶しかないみたいです。
・この中に、線香の材料の粉を入れます。
・この中に、お湯を入れて、手で丁寧に練っていきます。
・入れはじめは、熱いので、棒を使い混ぜていきます。
- 粉を練り上げる
・もうこの段階になってくると、手で混ぜていきます。
・まだ、かなり熱いです。
・全体的に水分が回ってくると、力を入れて練っていきます。
・そうして行くと固まりができてきます。
- 練り上げ
・押し付けるようにして、力を入れていくと大きい団子みたいになります。
・練るのは、例えれば、蕎麦を練る感じと似ていると思います。
・力は、すごく使います。
・練り終わるとかなり汗をかき腕も疲れます。
・この形にしているのは、押し出し機に入れるとき、この形が入れやすいのでこの形にしています。
・この状態で、約3時間ぐらい寝かします。 温度を冷ますためです。 季節によって変わってきます。
- 押し出された線香を切っていく
・江戸時代末期から明治時代に作られた。線香の押し出し機です。
・現在、木造の線香の押し出し機は、日本には、もうほとんどないと思います。
・この押し出し機で、線香を作っているのは、徳泉堂だけです。
・この押し出し機は、2人でないと、使うことができないです。
・一人が、力加減をして回し、もう一人が出てきた線香を落とさないように板に載せていきます。
・回すのは、人力なので、力がいります。手を離してしますと棒が逆の方に飛んでしまうので、しっかりもっとかなければなりません。
- 押し出された線香を切っていく
・この線香を切る作業は、次の線香を並べるのにすごく大事なところです。
・でてきた線香は、すごくやわらかくて、粘土みたいな感じなので、線香同士が重なり合うのを、できる限り離しときます。
- 線香を並べていきます
・一枚の大きい板にきれいに並べていきます。
・ここで、真っ直ぐに並べないと、出来上がりがきれいにできないです。
・あまり力を入れすぎると線香にかたがついてしまうのと、線香自体が切れてしまいます。力加減がすごく大事です。
・ここで、線香同士が、上に重なったりとかならないように、丁寧に並べていきます。
- 並べた線香をカット
・並べた線香を、しなりのある竹の棒でカットしていきます。
・板からはみでている所をカットすると、端がきれいになります。
・このカットは、最後の線香になるところ端になるので、きれいにきらないと見た目がわるくなります。
・これも他と一緒で、力加減が難しいです、なぜなら、力を入れすぎると、端の角が、ギザギザになったりと見た目がわるくなるので、大事なところです。
コーンタイプのお香の作り方
- 入れる
・お香の材料を手で練ったもの使います。
・手で先を作ってから金型に入れていきます。
・なのもしないで、ただ単に入れていくと先まで材料が入らないので、先の丸まったお香になってしまいます。
- 開ける
・金型を開けると、コーンタイプのお香になっています。
・できたお香を、一つづつ手で、取り板の上に並べていきます。
・並べたら、季節によって違いますが、5日から7日ぐらい乾かします。
卸からのお店
本舗は、卸メインでやってきた歴史があります。
長年ご愛用頂いている方やお寺等にご好評を得てきた本舗のお香をもっとより多くの方に使っていただきたいという思いから新たにお店を出すことにしました。
「お客様のニーズに応える」 「お客様に直に説明できる」 「お客様の喜ぶ顔が見たい」 店頭にてお待ち申し上げております。
ご意見から出来た商品「米香(まいこ)」
本舗の商品には天然の材料を使用しており、もともとアレルギーが少ない商品ばかりですが、更にアレルギーが出ないものをと考え、米粉で作ったお香 「米香 (まいこ)」 という商品にて販売しております。
きっかけは、お線香を焚かれる時に住職さんがアレルギーが有りなんとかならないかという相談を受け、試行錯誤の上で完成させました。
そこには時間と労力が必要でしたが、私が頑張れたのは大きな思いがあったからです。
それは、私はパンが好きで以前パン職人を目指して頑張っていた時期があったのですが、小麦アレルギーの為、その夢を断念することにしました。
「本当に困っている人がいる。」
そんな困っている方の味方になりたい。そんな思いで作った商品です。
お作りして喜んで頂ける事が出来たことが一番の喜びでした。
今、全国からお問い合せが来る商品です。
ぜひ一度、お手にしてみて下さい。
天然材料へのこだわり
天然の材料を使うことのいいところは、もともと自然界にあるものなので、体に害がないこと。
素材本来の香がするので、本当にいい香がします。
化学合成の香水も、いい香がしますが、やっぱり”本物の香”とは違います。
脳は"本物の香"と”本物の香でないもの”とを識別できますが、”本物の香”を体験しないとわからなくなってしまうと思います。
変な例えになりますが、最近の子どもは、魚が2枚におろされた状態で泳いでいると勘違いする子供もいるようです。
目で見るものでさえも間違えてしまうので、目に見えない香は、"本物の香"と”本物の香でないもの”の違いがわからなくなりやすいと思います。
”本物の香”が大切な理由として、お香には大きく「合成のお香」と「天然のお香」があります。
化学物質過敏症の人には「合成のお香」でアレルギー反応に繋がることがあります。
「天然のお香」では、そういった方にもおすすめできます。
しかし、「天然のお香」でも、アレルギー反応することがあります。
それは、天然成分へのアレルギー反応ではなく、「天然のお香」を「合成のお香」と脳が誤認してしまう時です。
例えば、合成と天然のサンダルウッドの香水がそれぞれあって、
「合成の香水」が、「天然の香水」に似た香りになってくると、
脳が『これは、本物なのか作り物なのか?』とわからなくなり、
「天然の香」でも、『これは、「合成の香」だな』と思い、発作を起こす可能性が出てくるかもしれないと想像すると恐ろしいです。
普段から「天然の香」に慣れ親しんで、”本物の癒し”を体験してください。
香料の種類
- 沈香 (じんこう)
インドネシア・ベトナムなどの山岳地方のアキラリア属 (ジンチョウゲ科) の倒木・枯れ木が土中に埋没し傷ついた所から木の樹脂が凝縮され、長い年月を経てできたものです。
沈香は他の物質では得ることのできない東洋的な幽玄 (優雅さ) な香りを持っており、その香の成分に精神の鎮静作用(気持などが静まって静か)があると言われています。
- 白檀 (びゃくだん)
インドネシア・オーストラリア・インドマイソール州の白檀が最上級とされている。
(効用) 精神の鎮静、排尿の促進、抗菌などの作用があり、香のもとであるアルファ・ピネリンには、免疫機能を高める作用があると言われている。
- 丁子 (ちょうじ) または、(クローブ)
殺菌作用と軽い麻酔作用を持つので、鎮痛剤、石鹸、歯磨きに使われている。
丁子は中華料理やカレーなどでも使われる一般的なスパイスですが、古来より部屋のにおい消しとしても使われていた。
香辛料として珍重されてきた。ツンとする刺激的な香で防虫効果、防腐効果。
- 山奈 (さんな)
中国万部やインドに産出するショウガ科の多年草の根茎を乾燥させたもの、防虫効果があるとされている。カブトムシ、カナブンがこの香を好むらしい。
芳香性健胃薬、虫歯の痛み。
- 桂皮 (けいひ) または、(シナモン)
ソース等食品香料その他、健胃薬、解熱剤、鎮痛剤など生薬、石鹸、化粧品にも使われる。
古代エジプトではミイラ作りの防腐剤として使われていた。
- 大菌香 (だいういきょう)
中華料理の香辛料「八角」としても有名。 甘さとほろ苦さがある。
生薬⇒健胃、鎮咳剤として使われている。
- 甘松 (かんしょう)
鎮静作用、嘔吐、胃痛、食欲不振などの薬の原料に使われている。
- 龍脳 (りゅうのう)
血行促進作用や鎮痛作用、消炎作用などがあるため、主に外用医薬品の成分として使用されている。
かつては強心剤として使用。現在は比喩的に「カンフル剤」と呼ぶことがある。
- 貝香 (かいこ)
保香剤⇒昔から練り香などの香りを長持ちさせる。
- 零凌香 (れいりょうこう)
種子の部分を風邪薬として利用。スパイスとして使われる。
- 麝香 (じゃこう)
中国最古の薬物書「神農本草経」に不老長寿の茎として重宝されているよう、強心剤として用いられてきた。
ワシントン条約により入手は困難な状況
効用は、救心など興奮作用、強心作用